ロッテ・唐川、地元でも鮮烈デビュー! 10奪三振で2連勝
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大胆にも狙っていた。空振りを。九回二死、石井義を追い込んだ唐川は「高校(千葉・成田高)時代から最後は三振を取りたいのがあった。持てる力を最後の1球に乗せようと思った」。109球目。多少のコースの甘さなら関係ないほど伸びのある直球で巧打者のバットに空を切らせた。出身地でもある本拠地での初登板を10奪三振という絵になる締めで飾った。
一回、すべての打者に前回は控えたカーブを使った。球速表示以上の直球と、直球と同じぐらいに腕が振れた30キロほど落差があるカーブ。この変化球の情報が乏しかった好調の西武打線から2三振を奪い、3者凡退で立ち上がった。「前回は緊張したが、今回は自分の投球ができた」と唐川。この小気味よさが5連敗中のチームの空気を変え、直後の5得点の一因になっていた。
緩急以外にも3ボールは1度という制球力、さらに展開や状況に応じ、スタミナを温存しようと直球でも力を抜くなど、1試合通してのさじ加減が絶妙だった。無四球完投と地元でも鮮烈にデビューした右腕がお立ち台で宣言し、超満員の観衆をどよめかせた。「1年間通してローテを守りたい」。最後まで18歳が球場を支配していた。
◆バレンタイン監督(唐川に)
「ストライクを取ることを恐れていない。常に有利なカウントで、爆発的な直球を投げていた。素晴らしいのひと言に尽きる」
◆橋本(唐川をリードし)
「最後まで球威が落ちなかった。落ち着いているし、技術もある。新人と見ない方がいい」
◆西岡(一回にバント安打で大量点の口火を切り)
「ヘッドスライディングをすることは決めていた。いつもしない人間がすると違うな、となる。勢いをつけたかった」
テンポがいいよな、唐川は。