恐るべき18歳!唐川10K無四球完投星
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天に愛された右腕だ。前夜からの豪雨は試合前に弱まり、ロッテ・唐川がマウンドへ立つと晴れ間がのぞいた。「すごい気持ちよかったです」。ファンの大歓声を受けた本拠地初マウンドで、無四球完投勝利。5連敗中だったチームの救世主となった。
いきなり2三振を奪う立ち上がりに、スタンドのボルテージは最高潮。九回二死では「高校時代から最後の打者は三振で、と決めている。狙って取れたのでよかった」と石井義を143キロの外角直球で、10個目の三振に仕留めた。
千葉・成田市出身の唐川にとってプロ2戦目は地元がい旋の登板。「千葉で勝てなかったら何を言われるか分からない。必死でしたよ」。家族や小学校から高校までの同級生らが駆けつけた中で「緊張は大声援を受けたら取れました」。その強心臓が最大の武器だ。
「まだ自信はないですよ」と話す一方で「今まで、テンパって自分を見失ったことはないです」と豪語する。1軍で活躍する手応えは半月前につかんでいた。4月16日のイースタン・リーグ、湘南戦。80球制限の中で7回無失点。11三振を奪い、78球で締めたときだ。「あれ?って感じでしたね。高校の打者は球に食らいつくが、プロはストライクを簡単に見逃す。それならどんどん攻めようと。(プロで)ある程度通用すると思いました」というから驚きだ。
プロ2戦目での無四球完投は松坂(レッドソックス)、ダルビッシュ(日本ハム)、田中(楽天)でさえ成し得なかった快挙だ。お立ち台では「しっかり投げて、年間を通してローテを守りたい」と宣言。夢物語ではない。それを確信させる風格が、平成生まれの18歳右腕の言葉ににじんでいた。
「天に愛された右腕」> いいフレーズだ。